「空き家を売却したいけど、仲介と買取のどっちが自分に合ってるの?」
「できるだけ手間をかけずに売りたい!」
「買い叩かれるのは避けたい!」
実は、多くの空き家所有者が売却方法の選択に迷っています。
仲介と買取には、それぞれ得意・不得意があるので、空き家の状態や、希望条件に合った方を知らずに選ぶと、損して後悔してしまうかもしれません。

初めてだから分からないよ…。



高く売ることが最優先でなければ、基本的に「買取」をおススメします!
この記事では、仲介と買取の仕組みと特徴を比較していますので、読み進めれば自分にはどちらが向いているのか判断できるようになりますよ!
ぜひ、この記事を読んでから、空き家売却の第一歩を踏み出してください!
- 仲介と買取の具体的な違い
- 仲介と買取のメリット・デメリット
- 最適な売却方法の判断基準
【仲介vs買取】空き家売却におススメはどっち?


最初に、売却にあたっての希望条件と、それに対する仲介と買取の相性を一覧表でご紹介します。
希望条件 | 仲介 | 買取 |
---|---|---|
高く売りたい | 市場価格で売れる可能性がある | 市場価格の5~8割程度 |
費用を抑えたい | ||
早く売りたい | 3か月~数年 | 1か月前後 |
手間をかけたくない | ||
売却時期等の条件を調整したい | ||
古い家を売りたい | ||
売りに出していることを近所に知られたくない | ||
トラブルなく売りたい |



仲介は、高く売れる可能性があります。
一方、買取は市場価格5~8割程度にしかなりませんが、早く手放せるメリットがあります。
結論として、仲介と買取は、こんな人に向いています。
仲介が向いている人 | 買取が向いている人 |
---|---|
・高く売りたい人 ・売却時期を調整したい人 ・空き家の立地がよい人 ・築浅の空き家を持っている人 ・売りに出していることを近所に知られても構わない人 | ・すぐに売りたい人 ・時間や手間をかけたくない人 ・空き家の立地がよくない人 ・築年数が古い人 ・売りに出していることを近所に知られたくない人 |
まずは、仲介と買取の違いについて説明します。
その次に、各希望条件における仲介と買取の特徴を紹介するので、どちらが自分にあっているか確認しながら読んでください!



まず、仲介と買取の仕組みを理解しましょう!
空き家の売却方法での仲介と買取の違い
仲介と買取の一番大きな違いは、「誰に売るのか」にあります。
- 仲介:一般の人や法人に売る
- 買取:不動産業者に売る



次の図でイメージをつかみましょう!
仲介の仕組み
仲介とは、空き家の所有者である売主が、不動産業者に頼んで、買主を探してもらい、個人または法人に売却する方法です。





不動産業者が、僕の代わりに買主を探してくれるんだね!
依頼を受けた不動産業者は、不動産市場に物件を広く公開するので、多くの買い手候補にアプローチできます。
需要とのマッチングができるので、市場価格(または高値)で売却できる可能性が高まるのが特徴です。
買取の仕組み
買取とは、売主(空き家の所有者)が、直接、不動産業者に物件を売却する方法です。


仲介と違って、買取では買主を探す必要がないので、スピーディーに売却できるのが特徴ですが、需要の影響を受けにくいので、買取価格は市場価格よりも低くなります。



買取は、売主が不動産業者に直接売却します。
- 仲介は、不動産業者を通じて、「個人(法人)」に売却。市場価格で売れる可能性がある。
- 買取は、「不動産業者」に売却。市場価格より安くなる。
【初めてでも失敗しない】仲介と買取の特徴を8項目で比較
- 売却額
- 売却費用
- 売却期間
- 労力
- 売却条件の調整
- 条件の悪い家の売却
- 近所に知られるリスク
- トラブルが起こりにくい
1.売却額
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
売却額 | 市場価格 | 市場価格の5~8割 |
仲介では、物件を市場に公開するため、多くの買い手にアプローチすることができます。
そのため、人気の物件の場合は、需要が高まるので、より高い価格で売却できるチャンスがあるのです。



特に、立地がよかったり、築年数が浅い物件は、人気があるので高く売れやすいです。
一方、買取では、売却価格は市場価格の5~8割程度にとどまります。
これは、需要との関連性が低いことや、不動産会社が転売やリフォームにかかるコストを差し引いて価格を設定することなどが理由です。
そのため、立地の良さや、築浅という利点があっても、それが価格に反映されにくいです。



価格は低めですが、すぐに手放せるし、手間もかからないメリットがあります。
2.費用
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
売却費用 |
費用面では、買取の方が有利です。
仲介では、売却できたときに仲介手数料を払う必要があります。
仲介手数料(税別):売却価格の3%+6万円
例えば、3,000万円で物件を売却した場合、仲介手数料は最大で96万円(税別)になります。
このほかに、内覧対応費や、特別な広告を依頼した場合には広告費も発生することがあります。
一方で、買取では、上記の費用は掛かかりません。
短期間で売却できると、当然、管理費や固定資産税などのランニングコストも抑えることもできます。



「仲介」「買取」に関係なく、空き家の状態に応じて測量費用や登記費用がかかる場合があります。
3.売却期間
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
売却期間 | 3か月~数年 | 1か月前後 |
仲介の場合、不動産屋が物件を売りに出して、内覧対応や買主のローン審査等が必要になるため、探す時間が必要があるため、短くても3か月はかかります。



期間については、物件の状態(立地・築年数等)や市場動向に左右されるので、数年単位になることもあります。
さらには、購入希望者が見つかっても、そのあとに価格交渉等の契約条件をすり合わせていく期間も考慮しておく必要があります。
一方、買取は、買い手を探す必要がないので、1か月程度で売却を完了することができます。
4.労力
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
労力 |
仲介の場合、不動産屋と相談して販売戦略を決めることとなります。
そのあとは、購入希望者の内覧に備えて、家の中を片付けて、家の印象を良くしておく必要があります。
不動産業者が内覧の代行してくれることもありますが、売主としても立会する場合は、スケジュール調整の負担も生じます。



自分が遠方に住んでいる場合は、交通費もかかりますね。。。
一方、買取の場合、上記の労力はかからないので、負担が小さく済みます。
5.売買条件の調整
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
売買条件の調整 |
仲介では、引渡し時期や支払い条件など、細かな要望を反映させることが可能です。
- 売買価格
- 引渡し時期
- 家の利活用方法
- 手付金の額
- 建物や設備の補修の要否
- 契約不適合責任の期限
例えば、売主が住み替えを予定している場合、引越しスケジュールに合わせて引渡し時期を調整することができます。
さらに、買主の希望に応じて、壁紙や設備の変更などの条件を付け加えることも可能です。



売主・買主双方にとって、満足度の高い売買ができるのが仲介の強みです。
買取では、不動産屋が提示する条件で売却を進めるため、売買条件の調整はしづらいです。
スケジュールに関しても、不動産屋は早く物件を仕入れて、次の販売に備えたいと考えているので、売主の引越しスケジュールに合わせて引渡し時期を調整したくても、難しいのが一般的です。
6.条件の悪い家の売却
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
条件の悪い家の売却 |
例えば、立地が悪い、築年数が古い、権利関係が複雑等、条件が悪い空き家の場合、なかなか買い手は見つからないので、仲介は不向きです。
一方で、仲介では買い手が見つからないような物件でも、買取なら対応してもらえることが多いです。



買取だと、どうして古い物件でも売却できるの?



不動産屋が、リフォームや取り壊しを前提に購入するからなんだよ。
ただし、買取であればどんな空き家でも対応してもらえるという訳ではないので、注意してください。
空き家の状態によっては、買取も断られることはあります。



買取してもらえない空き家はどうすればいいの?



専門に扱っている不動産屋(ワケガイ)や、解体という選択肢もあります。
7.近所に知られるリスク
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
近所に知られるリスク |
仲介では、インターネットやチラシを使って物件情報を公開するため、近所に売却状況や売出し価格が知られる可能性があります。
プライバシーを重視する方にとって、この点は大きなデメリットになり得ます。



近所のウワサなどを気にする人は、仲介は避けた方がよさそうです。
買取では、不動産情報を公開する必要がないため、売却価格等の詳細が知られる心配がありません。
8.トラブルが起こりにくい
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
トラブルが起こりにくい |
仲介では、売買契約の直前に買主が購入を取りやめたり、買主のローンが通らずに契約が白紙になったりするリスクがあります。
さらに、仲介で売買契約する場合、売主は買主に対して契約不適合責任を負うのが一般的です。
そのため、引き渡した後でも一定期間は責任を負い続けます。



「契約不適合責任」って何?



買った物件が契約内容と違っていた(説明がなかった)ことについて、売主が責任を負うことです。
例えば、契約書や重要事項説明書に記載していなかった不具合(雨漏りなど)が、引き渡し後に発覚することがあります。
その場合、「契約不適合」として、売主が修理代金の支払いを求められたり、損害賠償を求められたりするトラブルに発展する可能性があります。



買取にはそのリスクはないの?



買主が、不動産の専門家である不動産屋なので、売主が契約不適合責任を負わない(免責する)契約を結ぶのが一般的だからです。
契約不適合責任についてもう少し詳しく知りたい方はこちら
契約不適合責任の問題が生じやすい箇所は次の通りです。
- 雨漏りや水漏れ
- 床下のシロアリ被害
- 床の傾き
- 給排水設備の不具合
- 柱の腐敗
- 屋根や外壁の破損
- 地中の埋設物



自分でも気づきにくい箇所の責任を負うのはしんどいな・・・。
ただ、いつまでも売主が契約不適合責任を負うことになると、売主の負担が大きくなってしまいます。
そこで、契約不適合責任を負う期間を定める(例:2年間)ことが一般的です。
さらに、買主が合意してくれるのであれば、売主の契約不適合責任を免除する契約を締結することもできます。



引渡し後のトラブルが心配な場合は、契約前に、専門会社に住宅診断(ホームインスペクション)を依頼して、診断結果をもらうことで、説明漏れのリスクを大幅に軽減できますよ!
2020年の民法改正により、それまで「瑕疵担保(かしたんぽ)責任」と呼ばれていたものが「契約不適合責任」に名称変更され、買主に有利な内容になっています。
仲介と買取のメリット・デメリット
ここまで比較した内容を改めて、主なメリット・デメリットを整理します。
仲介のメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
高値で売れる可能性がある 売買の条件を調整できる | 仲介手数料や諸費用が必要 内覧の対応が必要 契約直前のトラブルが発生するおそれがある 契約不適合責任を負う |
買取のメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
売却までに時間がかからない 資産価値が低い物件でも売れる 仲介手数料が不要 契約不適合責任を負わない | 市場価格より安くなる(5~8割程度) 売買条件が調整しづらい 買取ができない場合がある |



高く売ることが最優先でないのであれば、買取の方が、すぐに手放すことができて、トラブルも起こりにくいので、おススメです!
あなたはどっち?仲介と買取の選び方
後悔のない売却のために大事なことは、まず、売却する目的を明確にすることです。
目的が明確にできれば、何を最優先すべきが見えてくるので、おのずと仲介と買取のどちらを選べばよいかが見えてくるからです。



以下の対応表を参考に、ご自身に合う方を選んでください。
売却の目的 | 適している売却方法 |
---|---|
できるだけ高く売りたい | 仲介 |
条件付きで売りたい | 仲介 |
大事に使ってくれる人に売りたい | 仲介 |
立地がよい・築年数が浅い | 仲介 |
早く売りたい・現金化したい | 買取 |
手間をかけたくない | 買取 |
値段は気にせず、とにかく手放したい | 買取 |
近所に価格を知られたくない | 買取 |
面倒なことに巻き込まれたくない | 買取 |



どうしても決められない人は、まずは仲介で試してみて、売れなければ買取に切り替える方法もありますよ!
空き家を売却するときのコツ


仲介・買取のどちらにするかが決まったら、これからご紹介するコツを実践しましょう。
仲介・買取を問わず、空き家を売却するときに一番大切なのは、3~5社から相見積もりをとることです。



どうして相見積もりが大事なの?
相見積もりをとるメリットは次の通りです。
- 市場価格が分かる
- 査定額の根拠の妥当性を判断できる
- 売却戦略や費用を比較できる
- 他社との交渉材料になる
- 信頼できる担当者を選べる
- 悪徳業者を避ける手段になる
もし、1社にしか見積もりを取らなければ、査定額が妥当なのか、売却戦略は適切なのか、悪徳業者なのかの判断も難しくなり、売却が失敗に終わるリスクが高まります。
納得のいく売却をするために、必ず複数社に相見積もりをとるようにしてください。
失敗回避!おススメの一括見積もりサイト





何社も見積もりをお願いするのは大変だな…。



一括査定が便利ですよ!
一括査定を利用すれば、無料かつ短時間で複数社に査定を依頼できます。
おススメのサイトは、次の通りです。
早く行動すれば、それだけ早く売れる可能性が高まります。
後悔のない売却に向けて、第一歩を踏み出しましょう!
まとめ
- 高く売りたいなら「仲介」、手間なく早く売りたいなら「買取」がおすすめ
- 仲介は市場価格で売れる可能性があるが、時間と手間がかかる
- 買取は短期間で売却でき、契約トラブルのリスクも低い
- 築古・立地が悪い空き家でも、買取なら対応してもらえる場合がある
- 売却前には必ず複数社に相見積もりをとるのが重要
高く売ることが最優先でなければ、手間なくスムーズに売却できる「買取」が断然おすすめです。
まずは自分の希望条件を整理して、最適な方法を見極めましょう。
どちらが合っているか迷ったら、最初は「仲介」で試し、うまくいかなければ「買取」に切り替える方法もアリです!
相続等で空き家を取得した人は、早く売れば税金の特例を受けられる可能性があります。
詳しくは以下をご確認ください。
空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例
(参考)早く売却すれば、税金の特例を受けられる可能性がある
相続等で取得した空き家を売却(譲渡)した場合、一定の条件を満たしていれば、売買代金(譲渡所得)に対する税負担を軽減できる特例制度があります。



正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。
この特例を受けるための主な条件は次の通りです。
- 亡くなった人(被相続人)が一人で住んでいた
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋
- 区分所有建物登記されていない建物(集合住宅はNG)
- 相続してから約3年以内の売却(譲渡)であること



期限が近い人は、早めに!
その他の細かい条件もあるので、特例を受けられるかどうかについては、必ず国税庁や国土交通省のHPや、税理士に確認してください。
的に合った方法で、後悔のない売却をしましょう!
Q&A
“`
- 売却したいけど、仲介と買取のどっちが自分に合ってるの?
-
高く売りたい・売却条件を調整したい方には「仲介」、手間をかけず早く売りたい・トラブルを避けたい方には「買取」がおすすめです。
- できるだけ手間をかけずに売りたい場合は?
-
「買取」なら内覧対応や買主探しの手間がなく、1か月程度でスムーズに売却できます。時間や手間をかけたくない方には特におすすめです。
- 買い叩かれるのは避けたいけど、早く売りたい場合は?
-
多少価格が下がっても早く売りたいなら「買取」が最適ですが、まずは「仲介」で試して、売れなければ「買取」に切り替える方法もあります。
- 空き家でも高く売れる可能性があるのはどっち?
-
「仲介」であれば市場に広く公開されるため、高く売れる可能性があります。特に立地が良く築年数が浅い空き家なら有利です。
- 築古・立地が悪い空き家はどうしたらいい?
-
条件の悪い物件は「買取」の方が対応してもらいやすいです。リフォームや再建築を前提に購入してもらえる可能性があります。
- 売却前に必ずやるべきことは?
-
仲介・買取どちらにするにしても、必ず3〜5社の相見積もりを取りましょう。価格・戦略・担当者の対応を比較することが大切です。
- おすすめの一括査定サイトは?
-
「ズバッと不動産売却」「すまい4U」「いえカツLIFE」がおすすめです。無料で複数社に見積もり依頼ができ、比較が簡単にできます。
- 相続した空き家を売却する場合、税金の特例はある?
-
はい。一定条件を満たせば「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」を受けられます。詳細は税理士や国税庁HPで確認してください。